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「人文学と制度」

2013年3月26日(火) 17:00-19:30
東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
使用言語:日本語 | 入場無料 | 事前登録不要


ワークショップ「人文学と制度」


登壇者:西山雄二(首都大学東京)、大河内泰樹(一橋大学)、藤田尚志(九州産業大学)、宮崎裕助(新潟大学)、梶谷真司(UTCP)、星野太(UTCP)


 近年、世界中の大学において、人文学の教育研究がその今日的な有意義性(relevancy)や適切性(pertinence)を厳しく問われている。人文学の学部・学科において、いかなる実践的・応用的な学識が、将来の職業に有用ないかなる技能が教育されているのか。人文学の研究は経済的な利益をもたらすとは言わぬまでも、いかなる社会的な意義を有し、いかなる学術的成果を生み出しているのか。


 人文学の研究教育は、有用性や効率性、生産性といった経済主義的な論理には必ずしも適合しないため、社会的に蔑ろにされがちである。また、脳科学生命科学などの発展によって、人間性の解明という役割は必ずしも人文学特有の使命ではなくなっている。電子編集・出版によってテクストの創作・公表・受容・批評がより身近になるなかで、人文学独自の研究教育の意義に影響が出ている。近年の社会的、経済的、文化的な諸条件やその変動によって世界中の大学が改編を余儀なくされているが、そうした時流のなかで人文学の研究教育もまた、まちがいなく大きな岐路に差しかかっている。


 人文学の専門的価値のみならず、その公共的価値を再確認したり発見したりするためには、個々人の能力や成果に着目するだけでなく、人文学の命脈を保ってきた諸制度をめぐる歴史的背景や社会的状況、その理念や原理を考察する必要がある。本ワークショップでは、こうした問題意識のもとで編まれた論集『人文学と制度』(西山雄二編、未來社、2013年3月中旬刊行)の合評という形で、人文学の今日的な意義とその将来性を描き出す。


参考文献:西山雄二編『人文学と制度』(未來社、2013年3月中旬刊行)


http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2013/03/workshop_humanities_and_instit/