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「絵本をめぐる翻訳の冒険―おとなにも絵本は必要だ」

暴力的風景論 (新潮選書)

暴力的風景論 (新潮選書)

武田徹さんをお招きしたトークショーを開催します。

武田徹『暴力的風景論』トークショー
 3.11によって生まれてしまった人と人との断絶を
 私たちはどうやって修復したらいいのか?

◆日時:7月18日(金)19時〜21時(開場18時30分)
◆参加費:1500円(税込)
◆会場:不忍通りふれあい館・4階会議室
    ※往来堂から不忍通り沿いに歩いてすぐ
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_kumin_shisetsu_shinobazu.html
◆申込方法:往来堂書店の店頭または、電話(03-5685-0807)、メール(maido@ohraido.com)にて予約受付中です。「暴力的風景論トークショー参加希望」とお申し出いただき、お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。
◆支払方法:当日の18時30分(開場時間)までに往来堂書店の店頭にてお支払いください。ご連絡がないまま開場時間を過ぎた場合はキャンセルとさせていただきます。キャンセルは前日まで承ります。
◆当日の入場は、整理番号順・自由席となります。

武田徹/著(タケダ・トオル

1958年生まれ。ジャーナリスト評論家。恵泉女学園大学人文学部教授。国際基督教大学大学院博士課程修了。2000年『流行人類学クロニクル』(日経BP社)でサントリー学芸賞受賞。著書に『偽満州国論』『「隔離」という病い』(ともに中公文庫)、『戦争報道』(ちくま新書)、『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』(中公新書ラクレ)、『原発報道とメディア』(講談社現代新書)等。2014年、『NHK問題』の増補改訂版を電子書籍としてリリース。


<もくじ>
まえがき――戦後的「風景」を訪ねて
第一部 戦後史の風景
第一章 米軍基地のある風景――沖縄
第二章 革命の風景――連合赤軍事件
第三章 ウラ日本の風景――田中角栄日本列島改造論
第二部 想像力の中の風景
第四章 暴力化する風景――村上春樹ノルウェイの森
第五章 虚構と風景――宮崎勤事件と国道16号線
第六章 もうひとつの風景――オウム真理教事件と富士山
第七章 物語としての風景――酒鬼薔薇聖斗事件と神戸
第八章 塔の国と根の国――マッカーサー道路と秋葉原連続殺傷事件
あとがき

3.11後の「断絶」を克服するために
東日本大震災が発生した2011年、その年を象徴する漢字に選ばれたのは「絆」でした。しかし、あれから時を経るごとに顕在化してきたのは、「絆」とは真逆の「分断」ではないでしょうか。

そのような「分断」を象徴する出来事として記憶に新しいのが、漫画『美味しんぼ』騒動。「漫画に描かれていることは“真実”ではない、風評被害を助長する」という意見の人たちと、「漫画に描かれたように低線量被曝による健康被害を、政府や東電、マスコミは隠蔽している、これが真実だ」という意見の人たち……。結局「何が真実なのか」は検証されないまま、そして、お互いがお互いに「真実を見ていない」という平行線の議論を続けることで、脱原発や福島の復興を願っている人たちの中にも、なかなか埋め合わせることが難しい大きな溝があることが露呈しました。

なぜ、このような「分断」が生まれてしまったのか?

ジャーナリストで評論家の武田徹さんは、新著『暴力的風景論』の中で、そのような「分断」は〈それぞれが見えている「風景」の違い〉から生じるのであり、そのような〈「風景」が「暴力」の源泉になる〉と指摘、そして〈「風景」に惑わされること〉の危険について論じています。

〈「風景」が誰の前にも公平にあるということは、誰もが同じ「風景」を見ていることとイコールではない。だからこそ「風景」が“共生”の敵になる。一度、そう見えると、そうとしか見えなくなってしまう「風景」に視野を覆われることで、人は別の「風景」を見ている他者の存在を忘れ、“共生”は破綻する。〉

共生の破綻、つまり、社会の分断は、3.11によって表面化しただけで、それ以前にも存在していたはずです。本書では、戦後日本を揺るがせた出来事や事件について、文献などを辿り直すことで過去に見られていたであろう「風景」を再現し、また実際にそれぞれの現場を訪ねて、現在の「そうとしか見えない風景」を、それ以外にもありえる「風景」と重ねることで、「共生の破綻」や「社会の分断」が生まれてしまった構造を探っていきます。

たとえば、アメリカ軍基地が集中する沖縄の「風景」、連合赤軍事件を起こした若者たちが見ていた消費社会の「風景」、日本列島改造論を掲げ全国に新幹線や高速道路網を整備した田中角栄が見ていた雪深い寒村の「風景」、さらには、オウム真理教の幹部をはじめとする凶悪事件の犯人たちが見ていたであろう、それぞれの「風景」……。

では、どうすれば〈「風景」に惑わされること〉なく、「共生の破綻」や「社会の分断」を回避することができるのか? その答えは実に明瞭です。

〈自分にはそうとしか思えない「風景」と距離を置いて接すること。そのために「風景」の成立プロセスや、その在り方を理解することは一つの方法になる。過去には今とは違う「風景」が見えていたことに歴史を遡って思いをはせてもいい。あるいは自分とは違う「風景」を見ている人がいることを努めて意識する――。〉

具体的には、本書で武田さんがそうしたように、複層的な視点から「風景」を見て、考えればいいことなのかもしれません。とは言っても、答えは明瞭ですが、それを実践するのは、なかなか難しいものです。
下衆な言い方をすれば「痘痕(あばた)も靨(えくぼ)」に見えている人に何を言っても無駄なことですし、自分自身が「痘痕も靨」に見えている場合だってある。それが、異性の容姿であれば、その人が自分の意見(嗜好?)を他者に強要さえしなければ、迷惑にはならない。
しかし、いま日本が抱えている問題、先にも挙げたような原発問題、集団的自衛権をはじめとする国家安全保障の問題、中国人や韓国人に対する排斥運動の問題などで、意見が異なる人々が互いに歩み寄って複層的な視点から「風景」を見ていかなければ、結局、何も解決されないまま、その問題が社会から見えにくくなっていくだけなのではないでしょうか。そして、誰もが望まない「風景」だけが構築されていく。まるで、3.11以前の反対派と推進派の硬直した関係が続いた、原発問題のように――。


(ツカダマスヒロ)


http://www.ohraido.com/book.php?id=2972


リオとタケル

リオとタケル

intimacy

intimacy

中村安希+森栄喜
トークセッション&サイン会
「ノンフィクションと写真、表現をめぐって」

飯沢耕太郎(写真評論家)

2014年7月18日[金]19:30 – 21:00
トーク終了後サイン会


NADiff a/p/a/r/t 1F 店内
入場無料(予約不要)
※30名様以上はお立見となりますのでご了承下さい。


協力=集英社インターナショナル


この度NADiff a/p/a/r/tでは、開高健ノンフィクション賞受賞作家・中村安希の『リオとタケル』刊行を記念し、第39回木村伊兵衛賞を受賞した写真家・森栄喜を迎え、トークセッションを開催します。

『リオとタケル』は、70年代から90年代にかけてアメリカ演劇界でデザイナーとして活躍したリオと、パートナーのタケル、2人の生き方に魅了された中村安希が、彼らの生き方をたどりながら、誰もが秘める「内なる欲求」を見つめ「セクシュアリティ」を考える意欲作です。
写真集『intimacy』で恋人や友人とのプライベートな日常を記録した森栄喜の作品にも共通するテーマ「セクシュアリティ」について、ノンフィクションと写真、それぞれの表現手段について語っていただきます。

トークイベントについてのお問い合わせ
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977 | MAP | PHOTO NAVI |


http://www.nadiff.com/fair_event/leototakeru_talk.html

言語起源論の系譜

言語起源論の系譜

重田園江さん&互 盛央さん トークセッション


言語起源論vs.社会契約論


言語は、そして社会は、いかにして生み出されたのか。その起源には人為による契約があったのか、それとも……古来、ヨーロッパで問われ続けてきた「言語の起源」の問いは、「近代」と呼ばれる時代を迎えるとともに、その輪郭を「社会の起源」の問いに重ね合わせていく。それは、人がほかの人びとと「ともにある」とはいかなることか、という倫理的な問いにも通じていくだろう。


 ──昨年『社会契約論』(ちくま新書)で話題をさらった重田園江さんと、先頃大著『言語起源論の系譜』(講談社)を上梓した互盛央さんが、秩序の根源をめぐる問題について徹底的に語り合います。いずれも相手に対する応答として書かれたというこの2冊を対峙させながら豊かな地平を浮かび上がらせる、そんな刺激的な時間をぜひご期待ください。

開催日時:2014年7月18日(金曜日) 19時00分〜(開場18時30分)
開催場所:東京堂ホール (東京堂書店神田神保町店6階)
参加方法:参加費800円(要予約・ドリンク付き) 店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、メール件名「重田さん&互さんイベント参加希望」。メール本文にて、お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。
イベント当日と前日は、お電話にてお問い合わせ下さい。 電話 03-3291-5181

※当日17時00分より1階総合カウンターにて受付を行います。
参加費800円(ドリンク付き)をお支払い頂いた上で、
店内カフェにて、カフェチケットと指定のドリンクをお引換えください。
イベントチケットは6階入口にて回収致しますので、そのままお持ちください。
尚ドリンクの引換えは当日のみ有効となります。


http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=6434

チーロの歌

チーロの歌

2014/07/18 Fri
管啓次郎×野崎歓
「絵本をめぐる翻訳の冒険―おとなにも絵本は必要だ」
『チーロの歌』刊行記念

詩人の管啓次郎さんが翻訳した絵本『チーロの歌』(アリ・バーク/文 ローレン・ロング/絵)が、刊行されました。

子どもこうもりのチーロが、夜の世界を旅する冒険の物語で、エコーロケーションを詩的に表現した美しい訳も魅力なこの作品は、数多く翻訳を手がけている管さんにとってはじめての翻訳絵本になります。

今回B&Bでは、絵本の翻訳のむつかしさ、おもしろさなどを存分に語っていただきます。

対談のお相手にお迎えするのは、野崎歓さん。
フランス文学者で、昨年、映画が日本公開された『うたかたの日々』(ボリス・ヴィアン/著)や、『浴室』(ジャン=フィリップ・トゥーサン/著)の翻訳で一躍フランス文学に脚光を当てました。さらには、「ラプーたんていのじけんぼ」シリーズ(ベネディクト・ゲチエ/作 クレヨンハウス/刊)という、フランスのエスプリの効いた絵本も翻訳されています。

おふたりには、翻訳のはなしと合わせて、おとなにとって絵本を読むことがもたらす効用などについてもお話しいただきます。
また、管さんといえば、朗読劇の上演でもご活躍中。絵本をお読みいただき、朗読の魅力や声に出して読むことの意味も伺います。

絵本好きはもちろんのこと、翻訳に興味がある方、表現一般に関心の高い方、必見のイベントをどうぞお楽しみに。


(出演者プロフィール)
管啓次郎/詩人、比較文学者、翻訳家
明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系教授。著書に『狼が連れだって走る月』(筑摩書房)、『本は読めないものだから心配するな』(左右社)など。訳書に『星の王子さま』(サン=テグジュベリ/著 角川書店)、『チェルノブイリ―家族の帰る場所』(フランシスコ・サンチェス/文 ナターシャ・ブストス/画 朝日出版社)など。アンソロジーの編纂や朗読劇の上演など、多方面で活躍している。

野崎歓/翻訳家、エッセイスト
東京大学大学院人文社会系研究科教授。『赤ちゃん教育』(青土社、のち講談社文庫)で2006年度講談社エッセイ賞、『異邦の香り』(講談社)で2011年読売文学賞を受賞。訳書に『ちいさな王子』(サン=テグジュベリ/著 光文社古典新訳文庫)ほか多数。


※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
出演 _ 管啓次郎(詩人、比較文学者、翻訳家)
野崎歓(翻訳家、エッセイスト)
時間 _ 20:00〜22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 _ 1500yen + 1 drink order



http://bookandbeer.com/blog/event/20140718_chiro/