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「大人になったら芸術家になりたい」

7月5日(火)西澤明洋・著『ブランドをデザインする!』(パイ・インターナショナル)刊行記念 西澤明洋+朝霧重治ブランディングセミナー「COEDOをデザインする!」ABC本


http://p.tl/fkMY

《映画+音楽+シンポジウムの夕べ》緊急企画「大人になったら芸術家になりたい」

3.11.以後、人類は芸術家と警察官に大別される?
東日本大震災から9日ぶりに救出された少年は言いました、「大人になったら芸術家になりたい」それとも「警察官になって人を助けたい」と。
何の役にも立たない芸術家(デクノボー)と「僕、地震を逮捕しに行ってくる」という警官、救われた夢はどちらだろう?
死ぬことに役立たない芸術が、生きていることに役立つのか?
自分が生きているということに復讐される3.11.以後の人類を、何と呼ぶ?

世界の美術展、国際映画祭が注目する二人の若い作家の関西未公開の映像と、阪神・淡路大震災(1995年)と東日本大震災(2011年)で罹災した音楽家たちの震災に抗した「空気(音楽)力」、そして社会理論家による討議の3本立て。

「悲劇的な出来事を偽善的に利用するように見えるようには、絶対にしたくないから無料で」という呼び声に全世界が応えた、豪華メンバーによる、想定外を遥かに超えた芸術祭!

主催:同志社大学今出川校地学生支援課
共催:studio malaparte(http://1st.geocities.jp/mothermonika/
*ゲスト、ならびに上映・上演内容は変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

7月5日(火)17:00開場/入場無料
17:30〜18:20

上映1:琴仙姫(クムソニ)『獣となったわたし』 Beast of Me
(2005年/米/18分/デジタル作品)
在日朝鮮人への差別や虐待が、日本の朝鮮コミュニティで育った在日3世の琴仙姫自身による日本語と英語と朝鮮語の三重音声により語られる。琴の身体は、山羊の群れや、マーシャルアイランドの核実験によって被爆した女性の証言へと連結され、僅か18分間のなかに、植民地化と近代文明の暴力に関する経験の詳細さを描き出す。琴の声は、剥き出しの野の花に似て、画面のなかで震えつづける。

上映2:ベン・リヴァース『僕にはわかる、自分がどこへ向かっているのか』 I know where I'm going(2009年/英/30分/オリジナル16ミリシネスコ/デジタル上映)*日本語字幕付 Ann Arbor International Film Festival 2010 Best Cinematography award  Documenta Madrid 2010 Honorable Mention of the Jury
宮岡秀行による2000年代ベスト10に選ばれた脅威の短篇。The Earth After Usの著者で地質学者のヤン・ザラジーウィッツと会うため、ベン・リヴァースはイギリス北部にある島に向かう。ヤンの語りが、背骨のように繰り返し使われ、荒野に取り残されている者/モノたちがフレーミングされる。森で木が倒れ、はてしない変化にひとつの傷をつけるまでの時空に、古今東西SF映画の音声が重奏するとき、映画は地上という廃墟に「非時(ときじく)」を映し出す。

18:30〜19:40

演奏1.:ハコ HACO
演奏2.:ゲルブ・アル・リシャット・アンサンブル Guelb er Richat ensemble

Haco(ハコ)
神戸生まれ。ヴォーカリスト、作詞作曲家、エレクトロニクス奏者。
80年代に音響芸術を学び、After Dinnerでの作品が国際的に評価される。これまでにソロやHoahioなど主宰プロジェクトでCD発売、海外のフェスティバル出演も数え切れない。1990年映画「Step Across the Border」(ヴェルナー・ペンツェル & ニコラス・フンベルト)に音楽家として出演。2005年音響作品「Stereo Bugscope 00」がオーストリアアルス・エレクトロニカで入賞。2008年クラウディア・トリオッジとフランスのカルチェ財団美術館、韓国のナム・ジュン・パイク・アートフェスティバルで共演。近年、サウンドアート作品やコンテンポラリーダンスの音楽製作など、鋭い感性で活動範囲を広げている。2011年10月に淡路島のノマド村で発表されるサウンドインスタレーション作品「Walking On Sound」を、ヴェルナー・ペンツェル、茂木綾子、上山ともこと共同制作中。

Guelb er Richat ensemble(ゲルブ・アル・リシャット・アンサンブル)
2009年、音楽とは異なるジャンルの表現者3人によって、民衆の音楽を求めて結成される。
祥子/SHOKO(ヴォーカル、パフォーマー)、田中甚兵衛(ジャンベ、役者)、二瓶龍彦(ギター、チャランゴ、作家、演出家、美術家)。新宿歌舞伎町の昇華堂にて、ギタリスト、ファゴット奏者、詩人、パフォーマーとの多岐に渡るコラボレーションを行なう。楽曲はすべて、二瓶龍彦によるオリジナル。そのアコースティック・サウンドは、東欧、南米、アラブ、アジア等、世界の各地を想起させ「あやしくも哀しく、あたかも追放者のジプシー音楽」と評される。歌詞は、社会性、歴史性に富み、詩的で、稲川方人と共につくりあげた08年度寒梅館での祥子歌唱ライブ「悲劇の恋/歌」は多くの共感を得た。2011年6月には東京・代々木能舞台ならびに原爆の図・丸木美術館にて、ナターシャ・グジー、謝雪梅などともに東日本大震災支援コンサート「with You」に出演、主催し、大反響を呼ぶ。

19:45〜21:00

シンポジウム:池内靖子(立命館大学)+市田良彦神戸大学)+茨木千尋(司会)

池内靖子(いけうち・やすこ) 1947年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。演劇論、ジェンダー論。著書に『女優の誕生と終焉パフォーマンスとジェンダー』『異郷の身体テレサ・ハッキョン・チャをめぐって』(共編著)『残傷の音「アジア・政治・アート」の未来へ』(共著)。

市田良彦(いちだ・よしひこ) 1957年生まれ。神戸大学国際文化学研究科教授。社会思想史。著書に『ランシエール 新<音楽の哲学>』『アルチュセール ある連結の哲学』『非対称化する世界『<帝国>』の射程』(共著)『聞書き〈ブント〉一代』(石井暎禧と共著)。

茨木千尋(いばらき・ちひろ/司会) 1962年生まれ。字幕翻訳に、『僕にはわかる、自分がどこへ向かっているのか』『ヘルマン・シェルヘンの肖像』。論考に、「蝶の羽ばたきを聴く」など(スタジオ・マラパルテHP所収)。

◎春学期のCTはこれで終了となります。秋学期は10月より開始いたします。

http://www.doshisha.ac.jp/students/support2/kaprog/clover/