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「来るべき精神分析のプログラム」

◆UTCPセミナー
「来るべき精神分析のプログラム」

日時: 2009年1月14日(水)16:30-18:30
場所: 東京大学駒場キャンパス18号館4階 コラボレーションルーム3

講演者: 十川幸司精神科医・分析家)

司会:小林康夫(UTCP)

使用言語:日本語 入場無料、事前登録不要

〈概要〉
精神分析は、近代の「人間」の病の治療法であり、その構想は一九世紀末の最先端の学から構成されている。そして一世紀経った現在も、われわれ分析家はフロイトの概念装置の大半を継承しているが、それらの耐用期限はもはやとっくに過ぎてしまっている。精神分析は二〇世紀に頂点を極め、その可能性を消尽してしまった学なのだろうか? 精神分析が二一世紀において、なおも発展可能性を持った治療法であり続けるためには、フロイトの思考に潜む普遍への通路を正確に見据えておくことが必要だろう。そして、この普遍への通路を、日々の臨床の具体的な局面の中で、切り拓いていくのである。このような行為の継続のなかにこそ、来るべき精神分析の姿が立ち現われてくるだろう。

UTCPセミナー「来るべき精神分析のプログラム」 | Events | University of Tokyo Center for Philosophy

鼎談 「ヴァーチャル世代の子供たち」
2009年01月14日(水) 20時00分
入場無料
場所 : 東京日仏学院エスパス・イマージュ
フランス語&日本語(同時通訳付き)
お問い合わせ
東京日仏学院(03-5206-2500)

香山リカ、セルジュ・ティスロン、エチエンヌ・バラール

今日では、様々な製品とともに日常生活のあらゆる分野に新しいテクノロジーが入り込んできており、これらの製品は職業、社会的な関係、仕事の仕方、他人との交わり方のあり方を決めている。マイクロコンピューターから携帯電話、ウォークマンからコンピュータゲーム、こうした新しいテクノロジーは自我や他者との関係を一変させている。この催しでは、現在進行中の技術革新における人類の課題をセルジュ・ティスロン、香山リカの二人の精神科医、ジャーナリストのエチエンヌ・バラールがそれぞれの観点から述べる。

香山リカ
精神科医立教大学現代心理学部映像身体学科教授。臨床経験を生かして、新聞、雑誌で社会批評、文化批評、書評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、テレビゲームなどのサブカルチャーにも関心を持つ。数多くの著書を上梓しているが、最近のものには『言葉の力 コミュニケーションレッスン』(集英社。2008年)、『うつ病が日本を滅ぼす』(創出版、2008年)、『「私はうつ」と言いたがる人達』などがある。

セルジュ・ティスロン
パリのコシャン病院に勤める精神科医。パリ第10大学(ナンテール)のLASI(身体および同一性損傷に関する精神病理学研究所)の研究主任。数多くの著作があるが、邦訳されているものには『タンタンとエルジェの秘密』(人文書院)、『明るい部屋の謎-写真と無意識』(人文書院)、『恥 社会関係の精神分析』(法政大学出版)などがある。個々人と映像および新しいテクノロジーとの関係やその依存現象について研究している。

エチエンヌ・バラール
22歳で来日し、ジャーナリストとして活躍。日本についての著書もある。1999年には『オタク:ヴァーチャル世代の子供たち』を出版しており、フランスにおけるオタクを扱った初期の出版物の一つである。彼が調査した資料は、1999年に製作されたジャン=ジャック・べネックスのドキュメンタリー作品「オタク:ヴァーチャル帝国の息子達」(仮訳)のベースとなっている。