ベストセラー「何でも見てやろう」などで知られ、“行動する作家”として戦後の市民、平和運動をリードした小説家、評論家の小田実(おだ・まこと)さんが30日午前2時5分、胃がんのため東京都中央区の病院で死去した。75歳。大阪市出身。自宅は兵庫県西宮市大浜町1の41の801。葬儀・告別式は未定
http://news.livedoor.com/article/detail/2940418/
◇時代と深くかかわる作家
文芸評論家の黒古一夫さんの話 根っからの作家で、いつも持ち歩いていたかばんには、市民運動の資料ではなく連載中や構想中の小説の資料がつまっていた。文学が文学の世界にとどまるのではなく、作家が生きている時代と深くかかわることで小説は成立するという信念を持った作家だった。登場人物の口を借りて政治論が出てくるが、それは人間の当たり前の生き方という前提があり、その根っこには「人間はみな平等である」という庶民感覚があった。
◇エネルギッシュな言葉の達人
憲法学者の奥平康弘さんの話 エネルギッシュで発想が豊か、言葉の達人でもあった。一緒に呼び掛け人となった「9条の会」のスローガンなどもぱっと作ってしまう独特の才能を持っていた。性格は天真らんまんで人懐っこく、他人を引き付ける魅力があった。さまざまな運動を引っ張っていけたのは、彼のバイタリティーがあってこそだったと思う。最後は社会運動家ではなく小説家として自分がやってきたことをまとめてから死にたいとおっしゃっていた。(了)
http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2007073000408
世界的巨匠ベルイマン監督が死去
スウェーデンの世界的な映画監督で、二十世紀の映画界を代表する巨匠といわれたイングマル・ベルイマン氏が三十日、バルト海にある同国南部フォーレ島の自宅で死去した。八十九歳。スウェーデン通信などが家族の話として伝えた。死因は明らかにされていない。人間の内面を深く描く作品で知られ、一九六一年の「鏡の中にある如く」や八二年の「ファニーとアレクサンデル」などで、米アカデミー賞の外国語映画賞を三回受賞した。
スウェーデンのウプサラ生まれ。子供のころから人形劇や演劇に興味を示し、四〇年にストックホルム王立オペラ劇場の演出助手になった。
その後、シナリオライターの助手などとして映画界入りし、四〇年代半ばに監督デビュー。「夏の夜は三たび微笑む」や「処女の泉」などで世界に知られるようになり、五七年の「野いちご」でベルリン映画祭金熊賞を受賞した。
神の沈黙三部作として有名な六〇年代の「鏡の中にある如く」「冬の光」「沈黙」を経て「叫びとささやき」(七二年)「鏡の中の女」(七六年)などを製作、名監督としての地位を確立した。
「ファニーとアレクサンデル」以降は映画よりも舞台演出に専念していたが、二〇〇三年に家族の愛憎を題材にした作品「サラバンド」を発表、健在ぶりを示した。手掛けた映画は五十本以上に上る。ロイター通信によると、五回結婚し、九人の子供がいる。
http://www.daily.co.jp/newsflash/2007/07/31/0000500048.shtml
「プロレスの神様」カール・ゴッチ氏死去
「プロレスの神様」とうたわれたカール・ゴッチさんが28日(日本時間29日)、米国フロリダ州タンパの自宅で死去した。死因は肺炎とみられている。82歳だった。ゴッチさんは61年4月、日本プロレスのワールド・リーグ戦で初来日。自ら編み出したジャーマン・スープレックス(原爆固め)を日本に広め、アントニオ猪木、藤波辰爾らを輩出するなど、日本プロレス界の「育ての親」だった。生前も無我ワールドの名誉顧問を務め、日本プロレス界の発展に尽力していた。突然の訃報(ふほう)だった。80歳を過ぎてもゴッチさんは毎日、腕立て伏せ200回をこなすなど、体力は衰え知らずでワインを一晩に2、3本も空けてしまうなど病魔とも無縁に見えた。無我の西村が2週間前に電話した際にも元気に応じていたという。だが数日前から容体が急変。自宅近くの病院に一時入院し、最後は愛犬を残した独り暮らしの自宅で亡くなった。
都内で打ち合わせ中に知らされた猪木は「体が悪いのは聞いていたが、亡くなられたことには言葉もありません。もっと長生きしてほしかった」と落胆の色を隠せなかった。自身の代名詞でもある卍固めはゴッチさんから伝授されたもの。日本プロレス参戦のため3度目の来日となった68年4月からの1年2カ月間、通称「ゴッチ教室」で基礎から教えてくれた師匠だった。
厳しい指導で知られ、新日本では藤波、佐山、前田ら、そうそうたるメンバーを育てた。ウエートトレは用いず、75年には自宅に住み込んでいた藤波を動物園に連れて行き、手本としてゴリラの筋肉を見せたこともあった。52年ヘルシンキ五輪のレスリングで銀メダルを獲得した技術はもちろん、レスリング技を応用したジャーマン・スープレックスを編み出すアイデアもあり、日本で「ストロングスタイル」を確立した。
来日当初に、力道山から「強ければ良いってものじゃない」と敬遠されたように、エンターテインメント色を欠くスタイルで、米国では大成しなかった。だが強さを求めて旗揚げした新日本のスタイルとは合致。旗揚げ戦ではメーンで猪木を破った。その後もUWFや藤原組で最高顧問を務め、昨夏からは無我の名誉顧問に就任。後進育成に尽力し続け「プロレスの神様」と呼ばれ尊敬を集めた。人気低迷がさけばれる日本プロレス界は、また1人、貴重な人材を失った。
[2007年7月30日9時4分 紙面から]
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