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平頂山事件をめぐって

なぜ、日本の弁護士が中国の戦後補償裁判にかかわるのか――平頂山事件をめぐって考える
伊藤 真×大江 京子

■2009年4月30日(木)18:30〜

日本の弁護士たちが中国や朝鮮半島で旧日本軍が起こしたさまざまな事件や人権侵害に積極的にかかわり、事件当事者や当事国政府から高い評価と信頼を得ています。一方、日本政府はそれらの事件を認めようとしません。日本の裁判所も、時効や除斥などを理由に国家犯罪の認定を行っていません。
そうした中、司法試験で定評のある伊藤塾では法曹をめざす塾生たちに「歴史認識の旅―フィールドワーク」を積極的に行っています。なぜ、伊藤塾ではフィールドワークを行うのか?伊藤さんは、一昨年、平頂山を訪れ、そこに横たわるたくさんの事件の犠牲者たちの遺骨を見て、被害と同時に加害の事実も知らなければ9条の意味はわからないと強く思ったといいます。
旧日本軍が1932年に旧満州(中国東北地方)で起こした平頂山事件に中心的にかかわり、はじめは中国人被害者たちともギクシャクした関係だったのを、お互いの信頼に変えていった経験を含め、日本とアジアの国々の関係をどう築いていったらよいのか?
お二人の経験を踏まえ、縦横に語り合っていただきます。

【講師紹介】

伊藤 真(いとう・まこと)伊藤塾塾長 法学館憲法研究所所長 弁護士・法学館法律事務所所長
 1958生まれ、東京都出身。伊藤塾(法律資格の受験指導校)を主宰。東京大学在学中に司法試験に合格。その後、真の法律家の育成を目指し、司法試験の受験指導にあたる。深遠かつわかりやすい講義から短期合格者を輩出。カリスマ講師として不動の地位を確立。また「憲法を知ってしまった者の責任」から、日本国憲法の理念を伝える伝道師として、講演・執筆活動を精力的に行う。夢は世界の幸せの総量を増やすこと。日本を人権先進国、優しさ先進国、平和先進国にすること。著書に『憲法の力』(集英社新書)『中高生のための憲法教室』(岩波ジュニア新書)『選び抜く力』(角川one21)など多数。


大江京子(おおえ・きょうこ) 弁護士 1996年4月弁護士登録。これまで取り組んできた代表的訴訟に、東京大気汚染公害裁判(ぜん息患者らが、国、東京都、自動車メーカー7社らを相手にディーゼル排ガスの公害責任を追及した裁判:2007年8月和解により、東京都全域に居住するぜん息患者の医療費が全面的に助成される制度が制定された)、中国人戦争被害賠償請求事件などがある。東京都墨田区江東橋3−9−7国宝ビル6階東京東部法律事務所 TEL03-3634-5311)著書に『平頂山事件とは何だったのか』(共著)高文研。
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html#20090430shinjuku