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啓蒙のイロニーからイロニーの啓蒙へ

八木さんの、『基本法が悪いから○○とか××などの問題が生まれているのだ』ということは実はあまり信じておらず、“為にする議論”なのは分かっていたが基本法改正を実現させるためにあえて繰り返していたというような発言は、いろんな意味で貴重。

とあります。おそらくchikiさんが引かれているのは下記の箇所ではないかと思います。

マスコミが議論していた愛国心だとか伝統、文化だというのは、私は目くらましだと思ってきたんです。

もしかしたら、 chiki さんの引かれた箇所とちがっているかもしれません。ですが、もしそうだとしたら、 chikiさんが指摘されているようにまで、解釈して良いかどうかは「微妙」ではないでしょうか?読者の判断を待ちたいと思います。

ところで、私には実は頭の良いネオコンと頭の悪いネオコンの区別がついていません(笑)。そもそも、良し悪しを、誰がいつどういう基準で判断するのか?というのがあるんですが、良し悪しなんか関係ないよ「やったもの勝ち」で勝ったものが「良し悪し」を決めるというのが私のネオコンのイメージです。だとすれば〈宮台真司〉が「本当に」動員したもの勝ち、勝てば官軍と思っているかどうかは「微妙」だと思います。その意味では、 chiki さんの仰るとおり、「いろんな意味で貴重」だといえるでしょう。いわゆる啓蒙がシニカルへの耽落しか生まないとすれば、そうした事態をこそ反啓蒙するための「あえて」…、いや、あまり纏めてしまうと、それが「啓蒙」だと怒られてしまいそうなので、この辺でやめておきます。

因みに、この号の『表現者』は最近『現代小説の方法』中上健次(作品社)を編纂された文芸評論家の高澤秀次さんと大澤真幸さんの対談が載っています。前号の呉智英さんとの対談も、先日のABCでの浅田彰さんとの対談も評判が良かったようですね。

現代小説の方法

現代小説の方法

中上健次といえば下記もありますね。

◆◆◆<大谷能生マンスリーレクチャー>◆◆◆

●持ってゆくうた、置いてゆくうた portable songs & disportable words vol.6:中上健次


気鋭の音楽家・批評家大谷能生が、BOOK246にて行う毎月1回の音楽+文学講義。

□Vol.6:「中上健次と『戦後ジャズ喫茶文化』について」
戦後生まれ初めての芥川賞作家である中上健次の青春時代を中心に、1950〜60年代に「知の発信地」として隆盛を極めた「喫茶店」という場所とそのカルチャーについて考えていきます。

「持ってゆくうた、置いてゆくうた」と題し、
音楽との深い関係性の中から生み出され多くの文学たち。そうした文学作品と作家たちの活動、生きた場所/状況に根ざす音楽との関係性を暴き、作品中に登場する音/音楽と言葉の持つ時間の流れを辿っていきます。


◆日程:2月28日(水)毎月第4水曜日(全10〜12回)
◆時間:19:00〜21:00
◆会場:BOOK246店内
◆定員:20人
◆料金:1200円
◆予約方法:Tel:5771-6899/E-mail:info@book246.com(BOOK246)

(以下予約フォーマットに記入してメールにコピーしてお送りください)

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大谷能生
批評家、音楽家横浜国立大学中退。1996〜2002年まで音楽批評誌『Espresso』を編集執筆。日本のインディペンデントな音楽シーンに深く関わる。著作として『憂鬱と官能を教えた学校』、『東京大学アルバート・アイラー』(いずれも菊地成孔との共著)、川崎弘二+大谷能生『日本の電子音楽』(愛育社)。編著書として『Improvised Music From Japan EXTRA2003』などがある。サックスおよびエレクトロニクス奏者として、sim、masなどのバンドやセッションでも活躍中。

大谷能生朝顔観察日記/http://wikiwiki.jp/wikiwikiwiki/?FrontPage