表題:戦後日本政治と説明責任: 業績評価の機能不全と経済的低迷
発表者:斉藤淳氏(政治学/Yale大学政治学部助教授、元衆議院議員/http://pantheon.yale.edu/%7Ejs454/)
日時:2010年11月25日(木) 18:00-
場所:日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
参加申し込み: 件名を「戦後日本政治と説明責任」とし、お名前とご所属(ご専門)を
event@vcasi.org
にお知らせください。(なお、定員になり次第申し込みを締め切らせていただきます。)
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概要:
本報告では、戦後日本政治経済を素材に、選挙と経済政策の関係について、説明責任の論理を通じて考察する。代表民主制をシュンペーター的に考えるなら、選挙は有権者が政治家を雇用する過程であり、雇用契約の役割を果たすのが憲法であり選挙制度である。ここで民主的説明責任とは、政治家の側が互いに競争しながら、自らの政策実績と展望を説明することによって機能する。そして有権者がこれを評価し、選挙において優れた選択肢に投票することで、政策運営への委任が生ずる。
しかし実際の選挙過程では、有権者の側が集合行為問題に直面するだけでなく、選挙過程に根ざす様々な代理人問題が発生する。特に現代社会における政策運営は高度に技術的な知識を必要とし、政治家と官僚機関との間にも相互依存関係が発生するため、主権者に有権者と政治エリートの間にはなお一層困難な代理人問題が発生する。
こうした理論的問題意識を背景にしつつ、業績評価投票を促進する制度的枠組みが国レベルでも地方レベルでも存在しなかったことが、近年の日本経済停滞につながった可能性を指摘する。事例として、(1)政治市場モデルと日本型選挙運動、(2)サーチモデルと解散総選挙タイミング選択、(3)公共投資の地域別・分野別配分、などを取り上げる。拙著『自民党長期政権の政治経済学』をベースに、政権交代後の知見も踏まえて議論したい。
参考文献:
斉藤淳 (2010) 『自民党長期政権の政治経済学』勁草書房
社会・行動科学諸分野との関係:
経済学であれば、政治現象の数理的構造についてより精緻な分析を行うための材料がいくつかあると思います。拙著では十分に分析しきれなかったテーマが多々あり、むしろ今後、経済学者の皆様と共同作業するような展開を希望しています。
また、利益誘導は広い意味で票とカネの交換行為ですから、ゲームや実験的手法による検証とよくなじむものであると思います。そういう意味では心理学、社会学の方々とも共通の土台があると思っています。
VCASIは実験にも興味がある方が多いようですが、クライエンテリズムと実験の話ですとか、日本の政策過程を考える上でフィールド実験を行うなどの展望も考えられるのではないでしょうか。
選挙制度や憲法体制を雇用契約として考えることで、政治現象を労働経済学、産業組織論、経営学などのツールで切り取っていくことが出来ると思います。
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※周囲の方々にこのお知らせを転送していただければ幸いです。
お誘い合わせの上ぜひご参加ください。※後日VCASIのweb siteにて詳細を報告する予定です。
過去のイベントについては以下のURLをご覧ください。
立教大学アジア地域研究所主催公開講演会
「韓国映画に見る外国人の子どもたち―映画とトーク」日本は外国人登録者が200万人を超える国際化した社会になっていますが、韓国も例外ではありません。すでに2010年4月の統計で外国人登録者は88万人にのぼり総人口5000万人の2%弱になります。移住労働者の家庭では次第に子どもが生まれたり、あるいは呼び寄せたりして、子どもたちの教育や暮らしも目前の課題になりつつあります。
この映画「セリとハル」は韓国に暮らす、外国人あるいは外国とつながる子どもたちの日常を描き出し、韓国社会における共生への道を探った作品です。
映画上映後は映画監督による講演会を開催します。
日時 2010年11月25日(木)
18:00開場/18:20上映開始/19:50〜21:00講演会
場所 池袋キャンパス 太刀川記念館3階多目的ホール
講師 チャン・スヨン氏(映画監督)
《講師略歴》
1996年徳成女子大を卒業。ドイツのミュンヘン放送映画大学で学び、テレビドキュメンタリーを制作。帰国後は短編映画を制作の傍ら、イム・スルレ監督の「ワイキキ・ブラザーズ」、イ・ミヨン監督の「バス、停留所」の制作に参加、2004年の国家人権委員会制作によるオムニバス映画「5つの視線」の中の「お姉さんがわかってくれないと」(パク・キョンヒ監督)の助監督を務める。「セリとハル」は長編第一作で、ソウル独立映画祭上映後、各地で上映され、日本の第1回移住映画祭(2009.11東京)でも上映された。
対象者 本学学生、教職員、校友、一般
内容 「セリとハル」映画上映会及びチャン・スヨン監督講演会
受講料 無料
申込 不要
※当日先着150名
通訳 福島みのり氏(早稲田大学非常勤講師)
主催 立教大学アジア地域研究所
問合せ先 立教大学アジア地域研究所
TEL:03−3985−2581(月・火・木10:00〜17:00)
ajiken@rikkyo.ac.jp
11月25日(木) 柴田元幸さんトークイベント もっと、「本」の話をしよう
ブックフェア「もっと、本の話をしよう〜柴田元幸さんと選んだ50冊の本」の中から本を厳選して、柴田さんにブックトークや朗読をして頂きます。
柴田さんと一緒に、読む楽しさについて語ったり考えたりするひと時です。会 期:11月25日(木) 午後7時〜午後9時(終了予定)
会 場:西武池袋本店別館9階 池袋コミュニティカレッジ28番教室
参加費:1,000円(税込)
定 員:50名チケット販売場所:西武池袋本店書籍館地下1階リブロリファレンスカウンター
ブックフェア「もっと、本の話をしよう〜柴田元幸さんと選んだ50冊の本」はリブロ池袋本店書籍館1Fカルトグラフィアコーナーにて11月10日(水)より展開しています。
トークイベント当日には、お客様からも順に「自分が、読むことの楽しさを発見した1冊」について、一緒にお話して頂く事を考えています。
お問い合わせ:リブロ池袋本店 TEL:03-5949-2910(代表)
表題:戦後日本政治と説明責任: 業績評価の機能不全と経済的低迷
発表者:斉藤淳氏(政治学/Yale大学政治学部助教授、元衆議院議員/http://pantheon.yale.edu/%7Ejs454/)
日時:2010/11/25(木) 18:00-
場所:日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
参加申し込み: 件名を「戦後日本政治と説明責任」とし、お名前とご所属(ご専門)を
event(at)vcasi.org
にお知らせください。(なお、定員になり次第申し込みを締め切らせていただきます。)
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概要:
本報告では、戦後日本政治経済を素材に、選挙と経済政策の関係について、説明責任の論理を通じて考察する。代表民主制をシュンペーター的に考えるなら、選挙は有権者が政治家を雇用する過程であり、雇用契約の役割を果たすのが憲法であり選挙制度である。ここで民主的説明責任とは、政治家の側が互いに競争しながら、自らの政策実績と展望を説明することによって機能する。そして有権者がこれを評価し、選挙において優れた選択肢に投票することで、政策運営への委任が生ずる。
しかし実際の選挙過程では、有権者の側が集合行為問題に直面するだけでなく、選挙過程に根ざす様々な代理人問題が発生する。特に現代社会における政策運営は高度に技術的な知識を必要とし、政治家と官僚機関との間にも相互依存関係が発生するため、主権者に有権者と政治エリートの間にはなお一層困難な代理人問題が発生する。
こうした理論的問題意識を背景にしつつ、業績評価投票を促進する制度的枠組みが国レベルでも地方レベルでも存在しなかったことが、近年の日本経済停滞につながった可能性を指摘する。事例として、(1)政治市場モデルと日本型選挙運動、(2)サーチモデルと解散総選挙タイミング選択、(3)公共投資の地域別・分野別配分、などを取り上げる。拙著『自民党長期政権の政治経済学』をベースに、政権交代後の知見も踏まえて議論したい。
参考文献:
斉藤淳 (2010) 『自民党長期政権の政治経済学』勁草書房
社会・行動科学諸分野との関係:
経済学であれば、政治現象の数理的構造についてより精緻な分析を行うための材料がいくつかあると思います。拙著では十分に分析しきれなかったテーマが多々あり、むしろ今後、経済学者の皆様と共同作業するような展開を希望しています。
また、利益誘導は広い意味で票とカネの交換行為ですから、ゲームや実験的手法による検証とよくなじむものであると思います。そういう意味では心理学、社会学の方々とも共通の土台があると思っています。
VCASIは実験にも興味がある方が多いようですが、クライエンテリズムと実験の話ですとか、日本の政策過程を考える上でフィールド実験を行うなどの展望も考えられるのではないでしょうか。
選挙制度や憲法体制を雇用契約として考えることで、政治現象を労働経済学、産業組織論、経営学などのツールで切り取っていくことが出来ると思います。
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※周囲の方々にこのお知らせを転送していただければ幸いです。
お誘い合わせの上ぜひご参加ください。※後日VCASIのweb siteにて詳細を報告する予定です。
過去のイベントについては以下のURLをご覧ください。
● 紀 伊 國 屋 ホ ー ルNEW!!
第163回新宿セミナー@Kinokuniya
『島森路子インタビュー集』(全2冊)・『可士和式』刊行記念
「ことばに出会う」
阿川佐和子 高橋源一郎 佐藤可士和 天野祐吉
怒らせたり、笑わせたり、なごませたり。 相手の心を開かせ、その人ならではの言葉をひきだすインタビューや対談には、 言葉の格闘技にも似た面白さがある――。
『島森路子インタビュー集』(全2冊)と、対談とインタビューで構成された『可士和式』の刊行を機に、インタビューをされる人とする人のかけひきのスリルや、話しことばを文字に変換する?話体?の面白さなどを自在に語り合います。出演者プロフィール
阿川佐和子(あがわ さわこ)
作家・エッセイスト・テレビキャスター。「情報デスクToday」「筑紫哲也NEWS23」「報道特集」でキャスターを務める。以後、執筆を中心にインタビュアー、テレビ、ラジオなどで活動。著書に『ああ言えばこう食う』(壇 ふみとの共著)、『ウメ子』、『婚約のあとで』など多数。テレビ朝日「たけしのTVタックル」、NHK「にっぽん巡礼」にレギュラー出演中。小説『スープ・オペラ』が映画化され、10月2日より公開。
高橋源一郎(たかはし げんいちろう)
作家・評論家。明治学院大学教授。1981年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。小説に『優雅で感傷的な日本野球』、『日本文学盛衰史』、『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』、『官能小説家』、『君が代は千代に八千代に』、『悪と戦う』など、評論・エッセイに『文学なんかこわくない』、『大人にはわからない日本文学史』、『13日間で「名文」を書けるようになる方法』など多数。ツイッターも大人気。佐藤可士和(さとう かしわ)
アートディレクター・クリエイティブディレクター。博報堂を経て「サムライ」設立。国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループなどのクリエイティブディレクション、NHK教育テレビ「えいごであそぼ」のキャラクターデザインと番組アートディレクションなど、ほかに幼稚園や病院のプロデュースなども手がける。著書に『佐藤可士和の超整理術』、『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』など。絵本に『しょうちゃんとちきゅうくん』。天野祐吉(あまの ゆうきち)
編集者・絵本作家。創元社、博報堂などを経て独立、1979年「広告批評」を創刊。1988年に編集長を島森路子に譲り、評論や絵本の仕事に。2008年「広告批評」を終刊、2010年「天野祐吉作業室」設立。連載中のコラムに朝日新聞の「CM天気図」、著書に『広告論講義』、『嘘八百』、『広告も変わったねぇ。』など、絵本に『ぼくのおじいちゃんのかお』、『絵くんとことばくん』、『のぞく』など。■日時 11月25日(木)19:00開演(18:30開場)
■出演 阿川佐和子 高橋源一郎 佐藤可士和 天野祐吉
■会場 新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4F)
■料金 1,000円(全席指定・税込)
■前売取扱 キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5階 受付時間10:00〜18:30)
《10月16日(土)より、チケット発売・電話予約受付》
■電話予約 紀伊國屋ホール 03-3354-0141(受付時間 10:00〜18:30)
■主催 紀伊國屋書店
■協力 天野祐吉作業室■書籍情報
『ことばを尋ねて・島森路子インタビュー集 1』(天野祐吉作業室、税込3,045円)、 『ことばに出会う・島森路子インタビュー集 2』(天野祐吉作業室、税込3,150円) 好評発売中
『可士和式(佐藤可士和×天野祐吉対談集)』11月10日発売予定
◎イベントの日時・時間については急な変更等ある場合がございます。詳細は各店にお問い合わせください。
◎定員になり次第、チケットの発行を終了させていただきます。尚、当サイトでのチケット完売のご案内は遅れる場合があります。チケットの残数については上記へお問い合わせください。