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植 民 地 主 義 の 暴 力−植民地主義はいまも継続し、増殖する。

植 民 地 主 義 の 暴 力−植民地主義はいまも継続し、増殖する。−
徐京植 × 高橋哲哉

■日時:2010年7月1日(木)18:00開場 18:30開始

 「韓国併合100周年」にあたる今年は、本来ならば日本人が朝鮮植民地支配の歴史に向かい合うべき好機であったはずだが、現在の日本社会を見渡して眼に映るのはこうした期待を裏切る出来事ばかりである。極右グループによる朝鮮学校生徒への脅迫が繰り返される一方、政権交代を実現して登場した民主党政権は高等学校学費無償化の対象から朝鮮学校を除外する方向を示しており、重要な政策目標であった外国人参政権に関しても法案をまとめることすらできない状態である。
 1990年代は植民地支配と侵略戦争の被害者たちがアジアの各地から立ち現われた「証言の時代」であった。だが、その後20年間、日本社会はむしろ思想的退廃を深め、自己中心主義に転落してきた。何より憂慮されるのは、こうした危険な状況に対して知識人や言論人が無関心かつ無気力であることだ。
 植民地主義はいまも継続し、増殖している!――そう主張し、日本人マジョリティの「国民主義」を痛烈に批判する作家・徐京植氏が哲学者・高橋哲哉氏と語り合う。(2人の共著書に『断絶の世紀 証言の時代―戦争の記憶をめぐる対話』〈岩波書店、2000年〉がある)


【講師紹介】

徐京植(ソ・キョンシク)
 1951年京都市に生まれる。作家・東京経済大学現代法学部教員。
 著書に『私の西洋美術巡礼』(みすず書房、1991年)『子どもの涙―ある在日朝鮮人の読書遍歴』(柏書房、1995年)『新しい普遍性へ―徐京植対話集』(影書房、1999年)『プリーモ・レーヴィへの旅』(朝日新聞社、1999年)『過ぎ去らない人々―難民の世紀の墓碑銘』(影書房、2001年)『青春の死神―記憶の中の20世紀絵画』(毎日新聞社、2001年)『半難民の位置から―戦後責任論争と在日朝鮮人』(影書房、2002年)『秤にかけてはならない―日朝問題を考える座標軸』(影書房、2003年)『ディアスポラ紀行―追放された者のまなざし』(岩波書店、2005年)『夜の時代に語るべきこと―ソウル発「深夜通信」』(毎日新聞社、2007年)『汝の目を信じよ!─統一ドイツ美術紀行』(みすず書房、2010年)など、共著書に『ソウル−ベルリン 玉突き書簡―境界線上の対話』(岩波書店、2008年)などがある。

高橋哲哉(たかはし・てつや)
 1956年福島県生まれ。東京大学大学院教授。専攻は哲学。
 著書に『逆光のロゴス―現代哲学のコンテクスト』(未來社、1992年)『記憶のエチカ―戦争・哲学・アウシュビッツ』(岩波書店、1995年)『デリダ脱構築』(講談社、1998年)『戦後責任論』(講談社、1999年/講談社学術文庫、2005年)『歴史/修正主義』(岩波書店、2001年)『「心」と戦争』(晶文社、2003年)『証言のポリティクス』(未來社、2004年)『「物語」の廃墟から―高橋哲哉対話・時評集:1995-2004』(影書房、2004年)『反・哲学入門』(白沢社、2004年)『教育と国家』(講談社現代新書、2004年)『靖国問題』(ちくま新書、2005年)『国家と犠牲』(NHKブックス、2005年)『状況への発言―靖国そして教育』(青土社、2007年)などがある。


☆会場…8階喫茶にて。入場料1,000円(1ドリンクつき)
☆定員…40名
☆受付…7階カウンターにて。電話予約も承ります。
ジュンク堂書店新宿店 TEL.03-5363-1300

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk-shinjyuku.html#20100701shinjuku