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ネオリベラリズムとは何か

日時 2008年1月26日(土) 14時〜16時
場所 Synodos 〒154-0003 東京都世田谷区野沢2-3-1-101
東急田園都市線駒沢大学駅より徒歩13分
 渋谷駅南口発 東急バス、野沢龍雲寺循環に乗車、野沢龍雲寺駅にて下車、徒歩2分)
定員 10名 (募集中) 費用 7,000円(学生・大学院生 3,000円)

セミナー概要
アヴァンギャルドであると思う。アヴァンギャルドとは、時代の一歩先を見通して、現政体を斜めから批判すること。乗り越えていくこと。そのために、破壊と創造のエネルギーとなること。拙著『帝国の条件』には、そういうモチーフがあった。振りかえってみると、私の立場は右から左まで、イデオロギーの両極に足跡を残してきた。一方では雑誌『情況』のような急進左派の媒体から、他方では『リバタリアニズム読本』のような急進右派の入門書まで。そこで見えてきたのは、自分の思想は、マルクスハイエクを融合するという、とてもありそうにない発想にもとづくということだ。思想の問題を、自分の「内なる声」にしたがって考えていくと、極左の思考から、極右の思考へとつながっていく。左の端を徹底してゆくと、それが現実の背後で円環をなし、右の端へと結びつく。イデオロギーの布置連関は、私のなかでは円環をなしている。現実を支配する思想は、その上層部に、アヴァンギャルドはその下層部にある。そして私が探求しているのは、円環構造の最深部なのだ。例えば、現代社会を支配している思想は、「ネオリベラリズム」である。しかしこれまでのところ、ネオリベラリズムに対する批判は、思想の深部には到達していない。だから私は、拙著において、ネオリベラリズム批判者たちに対する徹底した批判を行なった。では、批判の先に見えてくるのはなにか。それは次の時代の思想でなければならない。セミナーでは、教育・社会運動・政治・経済・文化などをめぐって、アクチュアルな問題を素材に、議論を深めていきたい。

橋本努(はしもと・つとむ) 1967年、東京生まれ。北海道大学大学院経済学部教員。専門は社会哲学。著書に、『自由の論法』(創文社)、『社会科学の人間学』(勁草書房)、『帝国の条件』(弘文堂)、『自由に生きるとはどういうことか――戦後日本社会論』(ちくま新書)。共編著に、『日本マックス・ヴェーバー論争』(ナカニシヤ出版、近刊予定)、『経済思想第8巻』(日本経済評論社)、『マックス・ヴェーバーの新世紀』(未来社)、『オーストリア学派の経済学』(日本経済評論社)。

Synodosセミナー・橋本努

片山杜秀の本(1)音盤考現学 (片山杜秀の本 1)

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