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「動物は電子書籍の夢を見るか?」

●新 宿 本 店 NEW!!
トークセッション「動物は電子書籍の夢を見るか?」
       ――「<書物的 実在論リアリズム >に向かって」#2

書物世界を電子という名の激震が襲う昨今。本の外形(フォーム)が変わっても本の中身(コンテンツ)が残ればいい、と誰もが考えて内心の動揺を鎮めようとしているようです。けれども、本が本でないものと境を接している外部世界について考えている人は意外に少ないように思えます。山が聳え、鳥獣の森が広がり、川が流れ、街ができて人が住み、その手のなかに本がある。本は、こうした野生や自然環境と人間世界の連続性の一部であり、もしかしたら人間だけの専有物ではないのかもしれません。
たとえば、「動物が本を読む」というリアリティをどこまで想像できるかという思考実験を通じて、書物の生産/受容者である「人間」というものの固有の輪郭を画定することはできないでしょうか。文字をもつ動物である人間とは何か? 書物の「内容」ではなくその物理的「外部」を想像し、そこから人間の存在と知性の輪郭を描き直し、その限界を突き詰めてみること。本を蟻塚や、熊の巣穴に投げ入れてみること。
すると、本とともに冬眠する動物たちの傍らで、動物のように冬眠する本たちの姿が見えてくるかもしれません。冬ごもりの淡い眠りのなかで、動物はどんな本を、本はどんな生き物を、それぞれ夢見ているのでしょう? ルソー、ソロー、スナイダー、ウィルソン、レヴィ=ストロース、ケージ、ル・クレジオクッツェー・・・。そんな思想家や作家の本を巣穴からとり出しながら、「薄墨色の文法」と「野生の詩学」を標榜する二人の知の耕人が、自然・野生・動植物的世界と書物知が交わる領域について自由で即興的な対話を交します。

■出演者プロフィール


ホスト:今福龍太 (いまふく りゅうた)
人類学者・批評家。東京外国語大学教授。同時にサンパウロカトリック大学客員教授として映像論/偶景論のセミナーを随時担当。さらに群島という地勢に遊動的な学びの場を求めて2002年より巡礼型の野外学舎〈奄美自由大学〉を主宰。著書に『荒野のロマネスク』(岩波現代文庫)、『クレオール主義』(ちくま学芸文庫)、『スポーツの汀』(紀伊國屋書店)、『ブラジルのホモ・ルーデンス』(月曜社)、『野性のテクノロジー』、『ここではない場所』、『群島-世界論』(以上 岩波書店)、レヴィ=ストロースとの共著『サンパウロへのサウダージ』(みすず書房)など多数。 近年は『身体としての書物』(東京外国語大学出版会)などの著書を通じて、身体と書物の深い歴史的・思想的関係についても独自の視点から論じている。

ゲスト:多木陽介 (たき ようすけ)
演出家・アーティスト。ローマ在住。1988年に渡伊。演劇活動の他、写真を中心にした展覧会を各地で展開。スタジオ及び模型のビデオ撮影をきっかけに、カスティリオーニ・スタジオに2004年より通い始め『アキッレ・カスティリオーニ - 自由の探求としてのデザイン - 』(アクシス)を2007年に上梓。現在は多様な分野で未来を考えた持続可能な文化活動を進める人々を論ずる『優しき生の耕人たち』を準備中。また、マルコ・ベルポリーティ著『カルヴィーノの眼』、プリーモ・レーヴィ著『プリーモ・レーヴィは語る』、ウンベルト・ガリンベルティ著『七つの大罪と新しい悪徳』(すべて青土社)などの翻訳書もある。

■日時 2011年1月26日(水) 18:00〜19:30(予定)/開場17:30
■会場 紀伊國屋書店新宿本店 9階特設会場
■定員 30名(お申し込み先着順。定員になり次第受付終了)
■入場料 500円 ( 当日会場にて、現金にてお支払い下さい。※前払い不可)
事前ご予約の上、当日直接会場までお越し下さい。整理券などは発行いたしません。
■お申し込み 紀伊國屋書店新宿本店5階人文書レジカウンター、またはお電話にてお申し込み下さい。
03-3354-5700(新宿本店5階直通番号) ※受付時間10:00〜21:00
関連ブックフェア開催!
「今こそ!人文書宣言」第19弾  「冬眠する本たち―野生、動物、書物の外部へ」
■会期 2011年1月8日(土)〜2月中旬
■場所 新宿本店5階A階段前フェア台 
■選書者 今福龍太氏


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