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「越境する想像力」

公開シンポジウム「よしもとばなな×越境する想像力」のお知らせ
 テーマカレッジ「越境する想像力」では、それぞれ学際的なテーマに対して、生徒が積極的に学習に取り組んでいます。全学部から集まる教員と学生が共に学び、討論やプレゼンテーションを徹底的に繰り返し、自ら考え、学びとる姿勢を身に付けます。
 この度、テーマカレッジ「越境する想像力」では担当教員の一人であるアレッサンドロ・ジェレヴィーニ先生によって、日本を代表する作家『よしもとばなな氏』にお越し頂き公開シンポジウムを下記の通り開催いたします。
 テーマカレッジ「越境する想像力」の科目を履修している学生はもちろん、興味のある方であればどなたでもご参加下さい。また、今後テーマカレッジ「越境する想像力」の履修を検討している学生の皆さんにとっては、授業の概要を知る良い機会ですので、是非ご参加下さい。
              記
1.日時 : 2009年1月21日(水)15:00〜17:00(14:30開場)
2.場所 : 早稲田キャンパス 8号館106教室(座席数750席)
3.プログラム
【第一部】15:00〜15:45 〜よしもとばなな氏新作『彼女について』について〜
討論者:よしもとばなな(作家)
    アレッサンドロ・ジェレヴィーニ(早稲田大学
    立花英裕(早稲田大学
【第二部】15:50〜17:00 〜パネルディスカッション〜
討論者:よしもとばなな(作家)
    アレッサンドロ・ジェレヴィーニ(早稲田大学
    「越境する想像力」の学生たち
4.対象 : 学生・教職員
Waseda-netポータルの「システム・サービス」メニュー内の「申請フォーム入力」から『公開シンポジウム「よしもとばなな×越境する想像力」』を選択し、ご応募ください。(当日は直接会場にお越しください。入場無料)

主催:テーマカレッジ「越境する想像力」
HP:http://waseda-cbi.ciao.jp/
問い合わせ:立花英裕教授
Mail:tachiban(at)waseda.jp
http://waseda-cbi.ciao.jp/index.php?%A4%E8%A4%B7%A4%E2%A4%C8%A4%D0%A4%CA%A4%CA%A1%DF%B1%DB%B6%AD%A4%B9%A4%EB%C1%DB%C1%FC%CE%CF

Title: UTCPセミナー「分身―鏡像と木霊の間」
Date: 2009年1月21日(水)16:30-18:30
Place: 東京大学駒場キャンパス18号館4階 コラボレーションルーム2 [地図]
講演者:大宮勘一郎慶應義塾大学
司会:小林康夫(UTCP)
使用言語:日本語 入場無料、事前登録不要

〈概要〉

神話
 ナルキッソスに真に欠けている知とは、単に眼の前の人物が自らの鏡像であることがわからない、という個別特殊な意味における認知の欠落ではない。彼はそもそも「実物」とは別物である「模像」というものを知らない。同様に彼は、水面に偶々現れたのが幻であることがわからないだけではない。彼はそもそも「実体」ではない「幻像」というものを知らない。要するに彼が知らないのは、「実物/模像」の区別、そして「実体/幻像」の区別である。しかし、そのような区別を前提としない知の彼岸に、いわば彼岸の知を想定することが可能であろう。影なき者が存在しないように、自らと不可分な分身という、背理とも思われるものが、この知のより深い内実をなす。ナルキッソスはこれを知った者、あるいは知る前にこれと出会ってしまった者であり、彼をこの出会いへと誘ったのは、エコーである。エコーの返す言葉、すなわち木霊とは、分身と出会うことへと誘惑する声のことである。

1800
 モーツァルトの『魔笛』は、分身殺害の物語である。父権的表象権力(ザラストロ)と、それが排除した分身(夜の女王)の間で引き裂かれているパミーナの模像(肖像)と出会ったタミーノは、一旦は彼女を分身の側に取り戻そうとするが、翻意し、むしろ彼女とともに自らを実像(=表象権力の積極的担い手)とするための試練を引き受け、これに成功する。また、やはり夜の女王の従僕でありながらタミーノと行動と共にし、挙句実像となる機会を奪われたパパゲーノは、パパゲーナとの平民的婚姻によって、模像を再生産することに終始する生活に、自らも模像(=表象権力の消極的担い手)としての幸福を見出す。劇の物語に先立つ簒奪によって、権力の分身の地位に甘んじていた夜の女王は、これに飽き足らず、実像としての回復を自ら勝ち取ろうとし、これに失敗する。この破滅によって最終的に「分身」は姿を消す。ロマン主義における「ドッペルゲンガーDoppelgänger」モティーフ(ホフマン、クライスト)の頻出は、分身が敵対者表象へと貧困化していったことを意味する。

1900
 ヴァルター・ベンヤミン物語論の根幹には分身論がある。「物語るひと」、「ベルリンの幼年期」において読み取れるのは、実物/模像、実体/幻像という表象論的区別には馴染まず、そこから排斥されてしまった分身の地位回復の試みでもある。決して出会われることのない分身との緊張関係が、ベンヤミン物語論叙事詩的理性の単なる没落史観から隔てているのだといえる。

2000
 極めて親しい人物を、その悪意ある「なりすまし」であると思い込んでしまうカプグラCapgras症候群は、同一性誤認に属する一ケースであるとされ、歴史的に見れば技術的複製可能性の増大に条件づけられたものとも考えられるが、この病には広範に及ぶ意味作用の可能性がある。それは、これが文字通り「分身」に関わる病だからである。2006年の小説”The Echo Maker”においてカプグラを主題としているアメリカの小説家リチャード・パワーズと、同じく分身的なものの繰り返される介入から小説世界を構築するポール・オースターの近年の作品群(”Oracle Night”、”Man in the Dark”他)をもとに、2000年(2001年?)以降における分身論の回帰の(政治的)意味を考えてみたい。
UTCPセミナー「分身―鏡像と木霊の間」 | Events | University of Tokyo Center for Philosophy

昭和40年会 トークイベント&サイン会開催!
新宿店・1階ブルースクエアカフェ内イベントスペース
1/21(水)午後7時〜午後8時30分
昭和40年生まれであることのみが共通で成り立っているアーティスト集団、「昭和40年会」。そんな彼らが独特の感性で巡った『昭和40年会の東京案内』の刊行は、2008年の現代アート界においてちょっとした話題になりました。2009年も活躍が期待される「昭和40年会」の年初めとして、トークイベント&サイン会を開催いたします。
参加ご希望のお客様は、12/21(日)午前10時より、ブックファースト新宿店・地下1階Aゾーンレジカウンターにて対象商品(下記参照)をお買い求め下さい。先着40名様に、整理券をお渡しいたします。
当日はトークだけでなく、いろいろなパフォーマンスを予定しています。
ぜひご参加ください!

【対象商品】
ブックファースト新宿店・地下1階Bゾーン「『昭和40年会の東京案内』フェア」にて展開している商品(一部除く)。