河村書店

人文系イベント紹介サイト

他人の情けが身にしみる

ポット出版のMさんからメール。ウェブでも紹介して頂いています。
http://www.pot.co.jp/pub_list/kizoubon/index.html

ひとりと一匹出版社「双風舎」の谷川さんも応援ありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/lelele/20061210

「義理」とか「人情」って大切にしたいものですねぇ(しみじみ)。


ところで、今日、発売です。大谷能生堀江敏幸「河岸忘日抄」より』

 文字で書かれたものを、声に出して人前で読む。
 そのときに生まれるいろいろな感情を、もうちょっと正確に把握してみたい、というところから、幾つかの作品を作ってみようと考えました。

 書かれた文字の中にはどんな声が含まれているのか。または、含まれていないのか。
 朗読と歌唱はどれだけ、どのように違うのか。
 文字を声に出すこと、または、声を文字にすることで、何が失われ、何が生まれるのか。
 詩を声に出すことは、誰かに唄いかけることではないのか。その誰かとは?

 こういったことを、録音=再生メディアの存在が音楽流通の基盤となっている現在、つまり、聴き取ることが不能のままでも、たった一度しか存在しなかった声を、そのまま反復=記号の領域に刻むことが出来る現在の作品環境において、あらためて経験してみること。

 それによって「言葉」だけでなく、もう一度、「音楽」本体の幹も太くしてゆこうとすること。
 こうした作業の手がかりとして、現在、日本で、もっとも素晴らしい散文をお書きになっている堀江敏幸さんの作品をお借りすることが出来たのは、存外の幸せでした。堀江さんありがとうございます。

 雨月物語では、山中、西行の唄いかけに答えて、魔道に墜ちた崇徳院が現われますが、この作品を聴いてくれた人の暗闇に、少しでもあやしいものかげが動いてくれればいいな、と思っています。

2006年11月 大谷能生

2006.12.13 on sale GRAM0PHONE 1 / HEADZ 86 ¥ 2,500 (tax incl.) ¥ 2,381 (without tax)
http://www.faderbyheadz.com/release/headz86.html