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ショーペンハウアー『読書について』を読む


シリーズ〈思考のレトリック〉第3回:文景楠「自然を論じること――マクダウェルアリストテレスプラグマティズム
Date:
2013年7月23日(火) 18:00-19:30
Place:
東京大学駒場キャンパス101号館2階研修室
シリーズ〈思考のレトリック〉第3回

発表者:文 景楠(UTCP)
発表タイトル:自然を論じること――マクダウェルアリストテレスプラグマティズム

コメンテーター:西堤 優(UTCP)
司会:星野 太(UTCP)

〈要旨〉
 自然とは何かという問いは、様々な文化圏で多様な仕方で問われ続けてきたものである。近年では、特に科学の探求対象としての自然という発想を中心に、その内実を見定めるための試みが続けられている。この問いは、歴史的には反自然・超自然とは何かという問いと表裏をなしており、どのようにこれらを区別するか(もしくは、一方を他方に還元するか)といった問題設定は、そのまま自らが住まう世界と自分自身を我々がどのように理解していたのかを反映するものであった。

 現代の科学的自然主義には様々な定義や解釈がありうるが、本発表で私は、まずそれらが共通してもつと思われるいくつかの重要な特徴が、我々の人間理解や社会実践に対して大幅な変更を強いるようなものであることを確認する。続いて、このような自然主義に対する批判として提起されたマクダウェルによる議論を参照し、その有効性を批判的に検討する。その過程で、彼が拠り所とするアリストテレス解釈の評価や、マクダウェルとは違う仕方で自然主義への反論を試みる主張を論じることになる。本発表は、このような議論を通じて、最終的に自然を論じるという問題に関する一定の見取り図を描くことを目指す。

〈参考文献〉
ヒラリー・パトナム(2007)『存在論抜きの倫理』(関口 浩喜+渡辺 大地+岩沢 宏和+入江 さつき 訳)叢書・ウニベルシタス、法政大学出版局.
ジョン・マクダウェル(2012)『心と世界』(神崎 繁+河田 健太郎+荒畑 靖宏+村井 忠康 訳)勁草書房.
リチャード・ローティ(1993)『哲学と自然の鏡』(野家 啓一 監訳)産業図書.
朴 一功 訳(2002)『ニコマコス倫理学西洋古典叢書京都大学学術出版会.

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使用言語:日本語|入場無料|事前登録不要

主催:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部付属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学寄付研究部門S5プロジェクト


シリーズ〈思考のレトリック〉第3回:文景楠「自然を論じること――マクダウェル・アリストテレス・プラグマティズム」 | Events | University of Tokyo Center for Philosophy

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図書紹介と解説
2013年7月23日(火)19:00
東京ドイツ文化センター図書館
日本語
参加無料
03-3584-3203


光文社との共同企画、「ドイツの古典を古典新訳文庫で読む」の第4回目の企画。この5月に光文社古典新訳文庫の一冊として出版されたショーペンハウアーの『読書について』を取り上げます。これは、『意志と表象としての世界』でニーチェワーグナーに多大な影響を与えたショーペンハウアーの晩年のエッセーを集めたものです。『読書について』の翻訳者、鈴木芳子氏が、特に面白いと感じ取った点を翻訳者の視点からお話しします。ドイツ哲学界の第一級の名文家と言われる彼の文章の魅力に迫ります。彼は比喩によって哲学を平易化し、認識の新たな地平開いていこうとしました。そんな彼の古典の素養に裏打ちされた、豊饒な比喩の世界をのぞいてみましょう。

「辛辣」とも評される、その切れ味鋭い文章の挑発的な言辞のいくつかを紹介しますので、ご一緒にドイツ語翻訳のエッセンスを楽しんでみませんか?

東京 - 催し物 - Goethe-Institut Japan