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シンポジウム「見田宗介/真木悠介を継承する」

日時 2023年4月8日(土) 10時〜18時
場所 東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE East K011教室13号館1313教室→13号館1323教室 ※参加人数に伴い会場を変更いたします(地図はページ下部をご参照ください)
主催 シンポジウム「見田宗介真木悠介を継承する」実行委員会 
協力 岩波書店
お申し込み ページ右下よりチケットをお申し込み下さい(参加費無料)。当日参加も受け付けておりますが、できるだけ事前のご登録をお願いします。事前申し込み数が定員に達した場合、申し込みなしの当日参加が難しい可能性がございます。想定を超えるお申し込みを頂いているため、ご参加は事前申し込みを頂いた方に限らせていただきます。なお『思想』8月号(岩波書店) で当日の発表を元にした特集を組む予定です。

 

「アクチュアルなもの、リアルなもの、実質的なものがまっすぐに語り交わされる時代を準備する世代たちのうちに、青青(せいせい)とした思考の芽を点火することだけを願って、わたしは分類の仕様のない書物を世界の内に放ちたい。 」(『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』「あとがき」より)


 昨年4月に亡くなった社会学者・見田宗介真木悠介の知と思想を継承することを目的としたシンポジウムを開催いたします。
 見田宗介真木悠介は、きわめて多岐にわたる業績を私たちに残しました。その一部を列挙すれば、次のようになります。

  • 日本近代の社会意識の分析(『現代日本の精神構造』『近代日本の心情の歴史』『現代日本の心情と論理』『まなざしの地獄』等)
  • 価値意識を把握するための理論の総合と再構築(『価値意識の理論』)
  • 原初的共同体から近代社会までの人類史の全体を視野にいれた時間意識の比較社会学(『時間の比較社会学』)
  • 生物進化の理論を発展的に継承しつつ、動物としての人間にとって「自我」の殻が必然なのかを問う探究(『自我の起原』)
  • 宮沢賢治の読解を通じた自我と存在の哲学の構築(『宮沢賢治』)
  • 環境問題・南北問題などのグローバルな社会問題を見すえ、それを克服しうる未来社会の構想の提案(『現代社会の理論』『社会学入門』『現代社会はどこに向かうか』等)

 これだけでも見田宗介真木悠介が、狭義の「社会学者」という枠にはとうてい収まらない、拡がりをもつことがわかります。その学問は、「ニヒリズムをいかにして乗り越えるのか」「エゴイズムは克服可能か」等の生における実存的な問いと、根底において直結しています(『気流の鳴る音』等)。見田/真木が提起したのは、〈人間解放〉を目標とする総合的な思想と実践でした。
 見田/真木が残した思想には、世界の思想・学問の全体を見渡しても、他に類がない圧倒的な独創性と深い洞察があります。本シンポジウムにおいて、その仕事の意義を明らかにし、継承する一歩を踏み出したいと思います。
 皆さまの参加をお待ちしております。参加費は無料ですが、参加希望の方は、下記案内の通り登録をお願いいたします。  (シンポジウム「見田宗介真木悠介を継承する」実行委員会)



プログラム

※各タイトルは変更になる場合があります


開会の辞 10:00-10:05
 内田隆三

趣旨説明 10:05-10:20
 大澤真幸

セッション1:見田宗介の近・現代社会論 10:20-11:50
 司会 佐藤健二
  浅野智彦「若者論として見田社会学を読む」
  山本理奈「現代社会論の課題:情報化・消費化・管理化を焦点として」
  奥村 隆「磁場のユートピア/圏域のユートピア

昼食 11:50-12:50

セッション2:真木悠介の比較社会学 12:50-14:20
 司会 大澤真幸
  今福龍太「真木悠介ここにいない」
  若林幹夫「有限、無限、永遠:〈いま・ここ〉に〈あること〉を意味づけるもの」
  小形道正「贈与・所有・使用:現代日本の着物文化」

セッション3:社会学の外への拡がり 14:30-16:00
 司会 酒井啓子
  上田紀行「旅すること・生きること」
  石川健治「身体・関係・憲法
  芝崎厚士「自我・時間・世界:見田宗介真木悠介と国際/グローバル関係研究」

coffee break 16:00-16:30

ラウンドテーブル:見田宗介真木悠介 16:30-18:00
 司会 吉見俊哉
  市野川容孝、小杉亮子、中野民夫、藤本由香里、宮城聡

https://peatix.com/event/3504496